身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)
その朝、義禁府は俄に騒々しくなった。夜半に牢内で気を失った王の側室金淑媛の拷問が急に行われることになったからだ。
意識不明となった淑媛は一旦義禁府の別室に移され、宮廷医の診察を受けた。診立ては栄養失調と過労ということで、特に病気ではなかった。精の付く薬が処方された。眠っている淑媛に医師が匙で薬を少しずつ飲ませたお陰か、明け方には意識を取り戻したのである。
だが、そこに大妃殿から急な遣いが来た。大妃の権限で金淑媛に対して、日の出を待って義禁府での拷問を命ずるというものだった。
意識不明となった淑媛は一旦義禁府の別室に移され、宮廷医の診察を受けた。診立ては栄養失調と過労ということで、特に病気ではなかった。精の付く薬が処方された。眠っている淑媛に医師が匙で薬を少しずつ飲ませたお陰か、明け方には意識を取り戻したのである。
だが、そこに大妃殿から急な遣いが来た。大妃の権限で金淑媛に対して、日の出を待って義禁府での拷問を命ずるというものだった。