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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス) 

 義禁府では大いに意見が分かれた。仮にも国王の熱愛する側室を大罪人とはいえ、王の許しもなしに拷問にはかけられないと主張する者、或いは国王よりもある意味強い力を持つ大妃の命を優先させるべきであると主張する者。
 結局、大妃の意向を立てる形となり、淑媛の取り調べは午前中から始まることとなった。取り調べといえば聞こえは良いが、内実は拷問である。殊に義禁府の拷問は大の男ですら気絶するといわれるほど過酷なものだ。
 義禁府の広場に引き出されてきた可憐な少女をひとめ見て、その場に居合わせた誰もが到底、拷問には耐えられまいと思った。

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