身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第11章 第二話 【桔梗の涙】 しばらくの別離
―何を人の良いことを仰せになっているのだ、中殿。あのような賤しい女狐の生む子どもを私は断じて孫と認めるつもりはない。あの女はそれでなくても殿下のご寵愛を欲しいままにしている。この上、もし世子の生母になろうものなら、我が者顔で後宮を闊歩し、いずれは中殿の座さえ奪おうとするやもしれませんぞ。
結局、王妃はユンに大妃の意を受けた形で、淑媛追放を勧めにやってきたということだった。
女に現を抜かす息子を相手にしていても埒があかないと判断した大妃は作戦を変えた。今度は嫁を動かしたのだ。大妃直々の言いつけとあれば、中殿も動かざるを得ないのを見越してに違いない。
結局、王妃はユンに大妃の意を受けた形で、淑媛追放を勧めにやってきたということだった。
女に現を抜かす息子を相手にしていても埒があかないと判断した大妃は作戦を変えた。今度は嫁を動かしたのだ。大妃直々の言いつけとあれば、中殿も動かざるを得ないのを見越してに違いない。