身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第11章 第二話 【桔梗の涙】 しばらくの別離
王妃はまた溜息を洩らし、頷いた。
「有り体に申せば、そういうことです。ただ、誤解なさらないで頂きたいのですが、この件は私の意思ではありません。別に殿下のご不興を蒙るのがいやで、このようなことを申しているのではありません」
「というと?」
王妃は溜息混じりに昨夜の大妃との会話の内容を話した。
―そこまでなさらなくても良いのではございませんか?
大妃の話をひととおり聞いた後、王妃は控えめに言った。
―側室の生む子とはいえ、殿下の御子が誕生するのは王室にとっても慶事です。何も殿下の御子を懐妊した側室を宮殿から追い出さずとも良いのではないでしょうか。
「有り体に申せば、そういうことです。ただ、誤解なさらないで頂きたいのですが、この件は私の意思ではありません。別に殿下のご不興を蒙るのがいやで、このようなことを申しているのではありません」
「というと?」
王妃は溜息混じりに昨夜の大妃との会話の内容を話した。
―そこまでなさらなくても良いのではございませんか?
大妃の話をひととおり聞いた後、王妃は控えめに言った。
―側室の生む子とはいえ、殿下の御子が誕生するのは王室にとっても慶事です。何も殿下の御子を懐妊した側室を宮殿から追い出さずとも良いのではないでしょうか。