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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第11章 第二話 【桔梗の涙】 しばらくの別離  

 あまりに快感が過ぎて、もう、本当にどうにかなってしまいそうだ。
「殿下」
 涙の滲んだ瞳で訴えかけると、ユンは笑った。
「今夜は初めてそなたから誘ってきたんだ。これくらいで済むと思うなよ?」
 ユンは不敵に笑い、今度は明姫の華奢な身体を抱き起こし、小さな子どもを抱っこするように向かい合わせで膝に乗せた。
「殿下、何を―」
 不安げな明姫が怯えた瞳で縋るように見上げると、艶っぽい笑みで応えた。
「そのような顔をするな。そんな可愛い顔で見つめられれば、男は余計にその気になる」

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