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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第11章 第二話 【桔梗の涙】 しばらくの別離  

 ユンは明姫を抱えたまま立ち上がる。丁度、彼女は両脚でユンの身体を挟んだ形になっている。
 ともすれば力の入らない身体が滑り落ちそうになる。そのため、明姫は懸命にユンの腰に回した両脚に力をこめた。それで、二人の繋がりは深くなり、よりいっそう彼を奥深く受け容れることになってしまう。ユンは彼自身をひとたび明姫の蜜壺から引き抜いた。
 ユンの剛直はまだ、少しも勢いを失っていない。むしろ、つい今し方、明姫の中で果てたとは信じられないくらい立派に戻っている。

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