身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第12章 第三話 【観玉寺の廃妃】 再会
その言葉に、維俊がハッとしたような表情になり、深く頭を垂れた。
「申し訳ございません。そういえば、先々代の王妃さまのお墓がこの辺りにあるとお聞きしたことがあります」
仁誠王后は先々代国王の妃、つまりユンの祖母に当たる女性である。女官出身で側室となり、国王の寵愛も厚く、ついには中殿(チュンジョン)にまで上り詰めた稀有な人であった。聡明にして、その美貌は庭園に咲き誇る芙蓉のごとしと謳われた。
ユンの記憶にある祖母は、もう既に六十を超えている。ユンが四歳の冬には亡くなってしまったので、記憶も朧でごく断片的なものしか残っていない。
「申し訳ございません。そういえば、先々代の王妃さまのお墓がこの辺りにあるとお聞きしたことがあります」
仁誠王后は先々代国王の妃、つまりユンの祖母に当たる女性である。女官出身で側室となり、国王の寵愛も厚く、ついには中殿(チュンジョン)にまで上り詰めた稀有な人であった。聡明にして、その美貌は庭園に咲き誇る芙蓉のごとしと謳われた。
ユンの記憶にある祖母は、もう既に六十を超えている。ユンが四歳の冬には亡くなってしまったので、記憶も朧でごく断片的なものしか残っていない。