身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第12章 第三話 【観玉寺の廃妃】 再会
ひとしきり祈りを捧げた後、明姫は小さな息をつき、眼前の御仏を仰いだ。黄金色(きんいろ)も美しい御仏を見る度に思う。
御仏は一体、何をお考えなのだろうか?
明姫には、この仏はいつも曖昧な笑みを浮かべているように見えてならない。曖昧というのは少し語弊があるかもしれない。もっとふさわしい表現をするとすれば、嬉しいとも哀しいとも判別のつかない表情とでも言えば良いのだろうか。
うっすらと微笑を湛えているのは間違いないのだけれど、歓びから来るものなのか、哀しみから来るものなのか判らない。あるときは慈しみ深い微笑みにも見えるし、またあるときは何ものかを哀れんでいるような哀しげな微笑みに見えないこともない。
御仏は一体、何をお考えなのだろうか?
明姫には、この仏はいつも曖昧な笑みを浮かべているように見えてならない。曖昧というのは少し語弊があるかもしれない。もっとふさわしい表現をするとすれば、嬉しいとも哀しいとも判別のつかない表情とでも言えば良いのだろうか。
うっすらと微笑を湛えているのは間違いないのだけれど、歓びから来るものなのか、哀しみから来るものなのか判らない。あるときは慈しみ深い微笑みにも見えるし、またあるときは何ものかを哀れんでいるような哀しげな微笑みに見えないこともない。