身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第12章 第三話 【観玉寺の廃妃】 再会
いつだったか、その疑問を直接、慈慶和尚にぶつけてみたことがあった。慈慶和尚はこの観玉寺の住職で、四十代半ばくらい。眉の濃い体格の良い和尚だ。はっきりとした目鼻立ちには意思の強さが滲み出ている。しかし、和尚を慕って寺に来るふもとの村人や若い弟子たちには厳しくも優しい。
都から流罪という形でここに来た明姫にも隔てなく、気さくに接してくれる。明姫が本堂の御仏の表情について訊ねると、慈慶和尚はこんな話をしてくれた。
―仏は見る者の心を映し出すと言いますぞ。
都から流罪という形でここに来た明姫にも隔てなく、気さくに接してくれる。明姫が本堂の御仏の表情について訊ねると、慈慶和尚はこんな話をしてくれた。
―仏は見る者の心を映し出すと言いますぞ。