身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第12章 第三話 【観玉寺の廃妃】 再会
その時。背後に人の気配を感じて、明姫は振り向いた。床に月明かりに照らし出された長い人影が伸びている。思わず悲鳴を上げそうになったところを後ろからそっと抱きすくめられた。
「なっ、何をするのですか! 人を呼びますよ」
気丈にも強い口調で窘めるように言うと、ふいに耳許でクスリという忍び笑いが聞こえた。
「相変わらず威勢が良いな」
「―」
全身に漲っていた緊張が少し解けた。この声はもしかして―。変わって入り込んできたたのは戸惑いと歓びだ。
「なっ、何をするのですか! 人を呼びますよ」
気丈にも強い口調で窘めるように言うと、ふいに耳許でクスリという忍び笑いが聞こえた。
「相変わらず威勢が良いな」
「―」
全身に漲っていた緊張が少し解けた。この声はもしかして―。変わって入り込んできたたのは戸惑いと歓びだ。