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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第12章 第三話 【観玉寺の廃妃】  再会

 そうされても仕方ないだけの仕打ちを彼女に対してした。その自覚が嫌になるほどあるのに、逢いたくて堪らず、我慢できなかった。それでも、拒絶されたときのことを考えると、怖ろしくて二度目に観玉寺を訪れる勇気をもてないでいた。
 しかし、半月が近くなろうかというある夜、ついに明姫恋しさの方が勝った。ユンは黄内官にすら告げず、夕刻から気分が悪いと大殿の寝所に引きこもった。
 今頃、黄内官は蒼褪めているに違いない。幼いときから祖父とも慕った彼を心配させるのは本意ではないが、観玉寺に行くなどと言えば、また維俊を連れてゆけだ昼間に行けだなどと煩い。

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