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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第13章 第三話 【観玉寺の廃妃】  涙の味

 涙の味

 明姫は手に持った籠を一旦、地面に降ろした。籠には眼にも眩しい真白な冬大根が山盛りになっている。この山の麓には小さな農村があって、村人がたまに山頂の観玉寺まで参詣しにくる。その度に、何かしらのお供えを持ってきてくれるのだ。
 今回の供物がこの大根というわけである。村人が総勢数人で運んできた野菜は他にも白菜や人参、青菜など実に多種多彩であった。
―ありがとう、助かります。
 明姫が微笑むと、年嵩の男たちに紛れていた若い男は眩しげに眼をパチパチさせ、ペコリと頭を下げた。

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