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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第13章 第三話 【観玉寺の廃妃】  涙の味

 そんな徳のある人ならば志願して僧の道に入ったのだとばかり思い込んでいたのだが、現実は違ったようだ。
―この国には、幼い中から食べることも満足にできない子どもがごまんといる。
 慈慶の言葉は真実に違いない。貧しい農村で育ち、自らも周囲にも飢えていた子どもを見てきたのだろう。
―そんな世の中を変えることができるのは、この国では国王さまただお一人です。どうか、機会があれば、私たち民の声を国王さまにお伝えして戴きたいのです。

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