身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第13章 第三話 【観玉寺の廃妃】 涙の味
慈鎮のような徳の高い僧侶からすれば、あれは単なる醜い肉欲の交わりにすぎず、御仏の情けに縋って生きている身であるにも拘わらず、男―たとえ国王であるとしても―を引き込んで淫蕩な情事に耽っている自分を彼がどう見ているか? そう考えただけで、恥じ入って消えてしまいたい心地になった。
しかし、先刻の慈鎮の態度には、そういった侮蔑などは一切感じられなかった。だとすれば、慈鎮が仮に五日前の夜のことを知っていたとしても、明姫が懸念するような軽侮は抱いていないのではないかと察せられる。
一人、蒼くなったり紅くなったりしていると、突如として脇からチョゴリの裾を引っ張られた。
しかし、先刻の慈鎮の態度には、そういった侮蔑などは一切感じられなかった。だとすれば、慈鎮が仮に五日前の夜のことを知っていたとしても、明姫が懸念するような軽侮は抱いていないのではないかと察せられる。
一人、蒼くなったり紅くなったりしていると、突如として脇からチョゴリの裾を引っ張られた。