身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第13章 第三話 【観玉寺の廃妃】 涙の味
性格と見た目も違うように、清慈は慈然と違って物覚えもよく、理解も早い。仲の良い二人だが、僧侶としての修行はもちろん年下の清慈の方が進んでいる。
しかし、優しい清慈はそれをひけらかすこともなく、年上の慈然には一歩下がって接している。子どもながら、思慮深い清慈だ。
「し、シミョンさんがそんなことを言ったの?」
シミョンというのは寺男の女房で、三十歳ほどになる。この観玉寺では明姫の他に唯一の女性だ。一年前までは二人の尼僧がいた。一人は老齢で、もう一人は年若く二十歳といっていた。しかし、去年の冬に老いた尼僧が大往生したのを見届けてから、うら若い尼は修行の旅に出ると山を下りていった。
しかし、優しい清慈はそれをひけらかすこともなく、年上の慈然には一歩下がって接している。子どもながら、思慮深い清慈だ。
「し、シミョンさんがそんなことを言ったの?」
シミョンというのは寺男の女房で、三十歳ほどになる。この観玉寺では明姫の他に唯一の女性だ。一年前までは二人の尼僧がいた。一人は老齢で、もう一人は年若く二十歳といっていた。しかし、去年の冬に老いた尼僧が大往生したのを見届けてから、うら若い尼は修行の旅に出ると山を下りていった。