テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第13章 第三話 【観玉寺の廃妃】  涙の味

「もう~、シミョンさんったら、子ども相手に変なことを吹き込んで」
―これは後でちゃんと諫めておかないと駄目だわ。
 明姫は吐息をつき、首を振った。
 と、清慈までが考え深げな黒い瞳をくるっと回して言う。
「僕は心配してるんだよ、淑媛さま。昨日の昼は、和尚さまと読経の最中に淑媛さまは上の空だったでしょう? それで、淑媛さまは和尚さまにこっぴどく叱られちゃったんだよね。和尚さまもあの後で、凄く心配してたんだよ。いつもはお勤めに真面目に取り組んでる淑媛さまがどうして急に上の空になったのか、どこか具合が悪いのかもって」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ