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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第13章 第三話 【観玉寺の廃妃】  涙の味

「隠すって、何をですか?」
「黄内官のことよ。あなた、黄内官を好きなのではなくて?」
「そ、そんな。淑媛さま、私は何も」
 明姫は続けた。
「あなたはこれまでもずっと私の恋を応援してくれた。広い宮殿で私の味方はあなただけだったもの。だから、今度は私があなたの力になれるものならなりたいの。別に無理に訊き出そうとは思わないけれど、何か私にできることがあれば言ってちょうだい」
 と、ヒャンダンがすすり泣き始めた。
「ヒャンダン、黄内官をそんなに好きなの?」
「違います。淑媛さま、私は確かに黄内官をお慕いしています。でも、私が哀しくて悔しいのは、そんなことではありません」

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