
ヴァンパイアの誘惑<短編集>
第1章 俺様ヴァンパイアの誘惑
「ふぅ…いいお湯だった」
「あら亜優、まだお風呂に入ってたの?」
「うん!」
テレビを見るお母さんにこたえながら冷蔵庫を開けた。
……ん??
……ない…
「お母さん、もしかして私のアイス食べたっ!?」
「えっ!?あのアイス、亜優のだったの?ごめーんお母さん食べちゃった」
やっぱり!
せっかくお風呂あがりに食べようと思ってたのにぃ…
むぅっと頬っぺたを膨らませると、お母さんはごめんごめんと言いながら私にお金を渡した。
「これで好きなもの買ってきなさい、本当にごめんね」
「ありがとうお母さん!行ってきます!!」
「今から行くの?気をつけてね?」
「はーい」
お母さんにそう返事をして家を出た。
「わっ!満月!」
夜空には綺麗な満月が浮かんでいて見惚れる。
