テキストサイズ

わすれない

第1章 出会い

男は私の手をつかむといまきたコンビニの方へと歩き出した。

「あ、あのっ…これから…。」

いきなり手を掴まれた私は動揺してうまくしゃべれなかった。なんせ、手を握ったのも年上男性のすぐ近くにいるのも初めてだ。


男免疫のない私にとってはかなりはずかしい。

「――ん? あぁ、これからどこいくかって?」


私の言いたい事がわかったのか、指を指しながらこう言われた。

コクンとうなずく私に男は指を指した方を見てさらに続けた。


「あっちに俺の車あるからね~。まずはそれに乗ってから決めようか!このままここいても暇でしょ???」


――――くるま。えっ?車?!

「ちょっ…!!
いくらなんでも知らない人の車になんかのんねーよっ!!!」

そう叫びながら手を振りほどき男から離れた。

男は少しビックリしたようだけど、ニコッと笑いながら近づいてくる。


――ヤバイ。あたし変なのにひっかかった?あぁ…神様、なんで私にはこんな思いばかりさせるの…。


「ミサキちゃん。君さ、可愛いんだからその言葉使いもちっと良くしようよ♪そんなんじゃ彼氏にも愛想つかされるんじゃない?」


予想外な言葉にキョトンとしてしまった私。


――あたしが可愛いい?


「・・・・大丈夫か?こいつの目…。」



思わず心で思ったことを口にしてしまったらしい私はその場から動けなかった。


「ひどいなぁ、困ってるところを助けてあげたのは誰だっけ?今の君には僕についてくる以外選択肢は無いと思うんだけどなぁ…♪」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ