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わすれない

第1章 出会い

――こいつ…。

私は何も言い返せなくなってしまった。男はそんな私を笑いながら見て、また手をつかみ歩き出した。

コンビニの駐車場に停めてある一台の車のまえにくると助手席のドアを開けて どうぞ。と手を仰いだ。



なかなか助手席に乗らないでいるとふぅ、とため息をついて一旦ドアをしめた。


「ミサキちゃん。俺、そんなに気が長いほうじゃないんだよね~。
君がどこから来たかは知らないけど、今こうして縁があってここにいるんだし、今ある時間 楽しまないと損じゃない?」


――楽しまないと損。


なぜか私の心に響いたこの言葉。


つまらない・・・




楽しくない・・・




苦しい・・・





そう思いながら毎日を過ごしてきた私にはかなり鋭く胸に突き刺さった。



「アンタなんかに、、、アンタなんかにあたしの辛さなんてわからないっ!!!」



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