
わすれない
第2章 それぞれの傷
――ヒビ…。
私は包帯の巻かれた肩をみる。
「それとね、警察の人が少し事情を聞きたいって言っているの。大丈夫?
ダメなら無理しないでいいのよ?」
――警察…。
ずっと黙ったままの私を察したのか看護師さんは続けた。
「まだ、体調がよくならないからって言っとくわ。いくら警察でも、患者さんには丁寧に接してもらわないと。」
ウインクしながら笑顔で話す看護師さんに私は頷いた。
「大丈夫よ、あなたの病室には医師の許可がないと警察も一般の人も入れないようにしてあるから。」
「えっ…? そうなんですか?」
不思議そうな顔をしている私に看護師さんはつづける。
「えーっと鈴本さんでしたっけ? 彼がね、自分以外誰も入れないでほしいって。特に男を近づけたくないっていってね。」
――あの男が…?
肩の固定具をつけ直しながら耳元で あとでお礼言わなきゃね☆ と呟いた看護師さん。
私はきっと顔を真っ赤にしていたと思う。
「あのっ、彼は…ずっと ここに?」
あのあとからの事がいまいちわからない私に看護師さんは教えてくれた。
診察中もずっと手を握り、時折うなされる私に名前を読んで頭を撫でていたと。
「彼は、恋人なんでしょ?ちゃ~んとお礼言わなきゃダメよ?」
優しく微笑み さぁおしまい! と言って私を寝かせてくれた。
私は包帯の巻かれた肩をみる。
「それとね、警察の人が少し事情を聞きたいって言っているの。大丈夫?
ダメなら無理しないでいいのよ?」
――警察…。
ずっと黙ったままの私を察したのか看護師さんは続けた。
「まだ、体調がよくならないからって言っとくわ。いくら警察でも、患者さんには丁寧に接してもらわないと。」
ウインクしながら笑顔で話す看護師さんに私は頷いた。
「大丈夫よ、あなたの病室には医師の許可がないと警察も一般の人も入れないようにしてあるから。」
「えっ…? そうなんですか?」
不思議そうな顔をしている私に看護師さんはつづける。
「えーっと鈴本さんでしたっけ? 彼がね、自分以外誰も入れないでほしいって。特に男を近づけたくないっていってね。」
――あの男が…?
肩の固定具をつけ直しながら耳元で あとでお礼言わなきゃね☆ と呟いた看護師さん。
私はきっと顔を真っ赤にしていたと思う。
「あのっ、彼は…ずっと ここに?」
あのあとからの事がいまいちわからない私に看護師さんは教えてくれた。
診察中もずっと手を握り、時折うなされる私に名前を読んで頭を撫でていたと。
「彼は、恋人なんでしょ?ちゃ~んとお礼言わなきゃダメよ?」
優しく微笑み さぁおしまい! と言って私を寝かせてくれた。
