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Sky Blue

第2章 帷

「それならもう提出しましたが…」

「……九条じゃない、長尾のことだ。アイツこの間の生徒会の報告書とその書類、書記ノートすらまだ提出してないんだ」

……生徒会があったのは確か2週間前だ。もうとっくに出していてもおかしくない。
それが出来ないなら始めから書記になんてならなければいいだけの話しだ。しかも強要された訳でも、推薦された訳でもなく自ら立候補し書記になったのは長尾自身だった。

「長尾はテストに異様なまでに執着してるからな。そう思ってテスト週間は敢えて言わなかったが…」

テスト週間が終わってその結果まで出ていると言うのに、なかなか提出しない長尾に痺れを切らしたと言う訳か…。

「九条この後会うだろ?悪いが長尾見かけたら伝えておいてもらえないか?」



「―――判りました…」
「悪いな、さっき携帯かけたが繋がらないんだ。まぁ、後でまた改めてかけてみるつもりだが」

申し訳なさそうに頼む先生を前にして、嫌だなんて言える訳ない。

「見かけたら伝えます。」






泉が校舎を後にする頃には、すでに日は落ち、辺りは暗くなりかけていた。一度家に戻り夕食を済ませる予定だったが、今の時間から戻れば遅刻は免れない。夕食を諦め少し早いが予備校へと足を進めた。




学校が終われば予備校へ行くのが泉の日課だ。予備校が終わり次第家に帰り、学校や予備校で出された課題を片付ける。それに加え生徒会の仕事もこなしていかなければならない。


だが泉に辛いとか、苦しいなんていう感情はなかった。物心がついた頃から毎日のようにこんな日々を送ってきたのだから………

それが当たり前でそれが日常だった。



そしてこれからも……きっとこんな日々が続いていく。



そしていつかは父親の後を継ぐんだろう……

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