妹えっち!
第12章 翳り
私のやり方は卑怯だった
哲平を見かけた事を隠して
『今なにしてる?』
って送った
裏返せば信頼してるからだ
哲平は嘘なんか言わない
卑怯だけど、でも
嘘言わないって信じていた
嫌な汗が出ていた
大丈夫、大丈夫だよね…
「おい大丈夫か?顔色悪いぞ」
「平気だってば…」
信号が青に変わった
止まってても仕方ない
ちょうど横断歩道の中央で
メールの着信があった
私は急いで見た
『え、なんで?
家で勉強してるけど?(笑)』
あ…
力が抜けて膝の感覚がなくなった
よりにもよって、横断歩道の真ん中で私は倒れ――
…なかった
お兄ちゃんが支えた
私の様子を察したのか
歩けそうにないと判断し
ひょいっと私を抱っこした
「はた迷惑なやつ」
口ではそう言うのに優しかった
私はどうしようもなく縋りついてお兄ちゃんの肩に顔をうずめた
お兄ちゃんがお尻を触る
正確にはお尻ではなくヒラヒラ
道行く人に見られないように、誰にも見せないと言うように押さえる
女の子を抱っこした男が
横断歩道を渡っていた
私の胸の中はぐちゃぐちゃだった