妹えっち!
第2章 予想外の攻撃性
璃乃は優勝した
合気道、小学生大会
勝ち抜きトーナメント
大詰めにもなれば
高学年の顔が立ち並ぶ
そんな中
ひとり小4の璃乃が
勝ち進んでいき
決勝戦の場に立った
ルールに則られたスポーツも
格式を重んじる武道も
全ては崇高で健全な精神にこそ肉体が宿ると考えられている
大会を見てわかった
璃乃は強かった
合気道は璃乃の
心も身体も
強く鍛えてくれた
いや…強くなりすぎた
元々あった抜群の運動神経と高い身体能力が合わさって、とんでもない天才を生んでしまった
決勝戦においてなお
これから入浴でもするかというリラックスした自然体
大舞台に緊張した相手と対照的に
璃乃は清流のように落ち着いてそこに佇んでいた
勝負は見えていた
「お兄ちゃん、優勝した!」
「やったな」
「えへへ…やったね」
璃乃は明るくなった
合気道を習って正解だった
人前で畏縮しなくなり、言いたい事も言えるようになった
内気な性格は改善され
いじめられていた頃の面影はもうどこにもない
璃乃は変わった
いい方向へ
自分に自信を持った
峰斗はこれなら安心だと
浅はかにも思っていた