妹えっち!
第15章 困った事になった
放課後、璃乃を間に挟んで友達と彼氏とで話がこじれた
部活が休みになった哲平が璃乃とデートしたいと言って、美春がぶち切れてしまったのだ
「もういっぺん言ってみろよ」
「いいだろ、立川
放課後彼女と二人っきりって
別にふつーの話だろ?」
璃乃は一歩引いて見ていた
友達か彼氏か
そういう構図だった
「独占するんじゃねーよ
あたしだって璃乃といたい」
「友達を祝福するって考え
立川にはねぇの?」
「あたしが先に約束してた」
「ごめんとは思うけど
でもオレだってデートしたい
部活なかなか休みないから」
「おまえ、ウザいよ」
舌戦―…
哲平の気持ちもわからなくない
普段放課後は部活である彼にとってこんな機会は滅多になく、彼女を譲ってくれというのも十分にわかる
かといって美春も気持ちもわかる
先に約束していたのに、あとから出てきた奴にその権利を横から盗られたら彼氏が相手でもムッとなる
「傷つくんだけど
なに、立川オレ嫌いなの?」
「今キライになった」
「なんかおかしいだろ
彼氏ができた友達
応援してやんねーの?
薄情じゃね?」
口論から一歩引いて口をつぐんでいた北斗も息を飲む
ひどい…と呟いたのは北斗だ
売り言葉に買い言葉だが
美春の尊厳を土足で踏みにじる発言だったのは間違いなかった
美春は泣かなかった
泣くわけがない
なぜならば強いからだ
当たり前だが、美春が薄情だった事など一度もない
「美春」
「………」
璃乃は美春の頬にキスした
「ごめんね約束破るね」
「…そっか」
「本当にごめんね
私、謝るしかできないや」
璃乃が選んだのは彼氏
璃乃は美春の目を見つめた
傷ついた目をしていた
そうと知りながら、捨てて行かなければならない
友達を切り、彼氏を優先した
わかってくれと言うのはあまりにおこがましい願いだった