妹えっち!
第15章 困った事になった
「あの…さ」
「なに?」
「オレ…言いすぎたよな
なんかごめん、オレのせいで…」
「ああ心配しなくて平気」
下駄箱から出る
「そんなにやわな仲じゃないよ
それにああ見えて
美春は一番ヒエラルキー下だから」
一般に階級の事である
「そうなの?
立川って見た目も派手だし
もっと偉そうっていうか
…あ、いや…」
「拗ねてるだろうね
美春の頭の中は簡単だよ
あたしより彼氏取るの?って
それしか考えてないよ」
「……やきもち?」
「素直でかわいいの
私の友達が、ごめんね
嫌な気分にさせちゃったよね」
―…これでいい
自分を、より、わかってくれるほうを切る
断ってもダメージが少ないほうにごめんって謝る
璃乃はそういう選択をした
本当は少し怒っていた
美春をよく知らないくせにあんな風に傷つけた哲平に、反発のようなものを覚えていた
でも蓋をした
険悪になりたくないし、わざわざ彼氏から嫌われるようなマネをするのはバカらしかった
哲平の気持ちもわかるし
彼女としてはやっぱり嬉しいし
悪気があったわけじゃないし
美春も悪かったし
気を静めてにこっと笑った
「ね、どこ行く?」