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妹えっち!

第5章 離れる兄妹







 こそっとドアを開けて
 璃乃は顔を半分覗かせる



「お、お兄ちゃん…起きてる?」
「なんだよ」
「あのね、さ、寂しいの…
一緒に寝ていい?」
「…好きにしろよ」



 その時の嬉しさは
 言葉にならなかった

 急いで枕を持って潜り込む



「お兄ちゃん…」
「なんだよ」
「な、なんでもない」



 璃乃はもぞもぞと動くと
 ふとんの下で手を見つけた



「…手」
「ご、ごめんなさい」



 怒ってそっぽを向かれた
 距離を詰めて、璃乃はめげずに背中を抱きしめる



「なんでこっちくんの?」



 璃乃は答えに窮した
 代わりに背中にしがみつく



「と、遠いのやだよ」
「…っ」



 峰斗が寝返りを打つ
 いきなり顔が近くにあって目が合って璃乃は焦った



「やっぱ自分の部屋で寝ろ」
「えっ」
「出てけよ」
「な、なんで…」



 何か悪い事したのだろうか
 璃乃はうっすら涙を浮かべた



「り、理由は…?」
「はぁ?」
「理由言ってくれなきゃヤダ!」



 璃乃は引き下がらない
 ぎゅうっと抱きつくと腰に手を回してぴったりくっついて、意地でも離さないつもりだった



 峰斗は抱きしめた
 頭と背中を引き寄せて、自分から妹のからだを抱く



「えっ?…ひぁっ!?」



 まさか抱きしめられると思ってなかった璃乃は驚いた、驚いて反射的に突き飛ばしていた



 すぐに腕を引かれて
 もう一度抱きしめられる



 カァァと璃乃は赤くなった



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