妹えっち!
第6章 お兄ちゃんの性事情
峰斗は遅刻して教室に向かう
時刻はちょうど一限が終わった頃になっていた
「……あ」
「あ」
まさかいるとは
今度こそ教室で張っていた元カノと鉢合わせてしまった
斑鳩恵理子
二年のシェアじゃ抜群に男からの支持率が高く、彼女にしたい市場価格は独走状態のイイ女だった
「…はよ
なに、どーしたの?」
「話があるの」
「悪いけどエリ、別れ話はもう済んでるし俺の中では終わってる」
「納得がいかないもん」
恵理子…エリは退かない
面倒なので峰斗は教室に逃げるべく横を通りかかるが、思い切り引っ張られて連れていかれる
たまたま教室内からそれを見てた女友達の千絵が、笑顔でハンカチをヒラヒラさせて見送っていた
(あのやろ…)
エリと共に入ったのは
誰もいない空き教室
「で、話って?」
「別れたくないんだけど」
「お前…よく真顔で言えるな」
恵理子はとにかく
ちやほやされたい女だった
なまじ見てくれがいいから
自分の錆さえ気をつければ二股三股は簡単であった
「どうしてわかってくれないの」
「どーいう意味?」
「私、峰斗の事
一番特別扱いしてたのに」
「特別扱い…ねぇ」
擁護するわけではないが
それは事実らしかった
大学生のカレより
社会人のカレより
目にかけられてた節はある
「だからなんなの?
もし俺が浮気するなって言って
エリがそれを快諾すれば
元通りになるとでも?」
「………」
「この話は俺が浮気する女が嫌い
それで決着ついたんだよ」
「そんな人間じゃないくせに」
エリが反撃してくる
「うそつき
そんな高尚な人間じゃないくせに
私が浮気しようが全然
むしろお構いなしだったくせに」
「………」