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妹えっち!

第7章 妹の性事情







「アホかおまえ!
弱みでも握られたらどーすんだ!」



 巻いた髪に大きな目
 男性経験が豊富な立川美春は垢抜けていてかわいい

 が、今は噴火している
 黙っていれば美人でキラキラしているのだが、直情型なので口を開くとイメージを壊す恐れありだった

 美春はまくし立てる
 よく思われてない別のグループにのこのこ行くやつはいない



「仲良しになった」
「警戒しろよ!自分がどれだけ反感買う存在ってわかってんのか!」
「ま、まあまあ」



 隣で眼鏡をかけたマスコットみたいに小さい女子が椎名北斗

 ちんまく非力で小柄で
 大人しくて気遣い屋
 意外かもしれないが、手綱と発言力は一番あった



 てんでタイプの違う三人だがこれでも仲良しだ



「あんたは美人なの!
ちょっとはモテるって自覚しろ!」



 女子の世界は厳しい
 それは璃乃も知っている
 異性に注目されるだけで不可解なほど敵視される



 小学生の頃ハサミで髪を切られた事があったが、あれはそのコの好きな男子が璃乃を好きだと言っていたという理由からだったのだ






 中学に上がってもそういった輩や
 やっかみは絶えなかった

 入学早々、色々あって
 ハブられてしまった



 無視はまだいいが璃乃にとってイジメとは精神的な暴力で許しがたく徹底的に反旗を翻した



 トイレに閉じ込められた時
 蹴って鍵をぶっ壊した

 根も葉もない噂もさらし者も
 元より嫌われ者なので怖くない

 首謀者を見つけて
 璃乃は淡々と一人でイジメ抜いた

 事あるごとにビビらせ
 当然の報復のように
 容赦なく指揮官を一点狙いした



 璃乃は強かった
 さながら歴戦の武将VS
 農民で構成された一個隊だった



 悪意はどこにでもあった
 学校は鍛練の場と思っていた

 体育の時間
 たとえ後ろからボールを投げつけられても受け止めた

 嫌がらせを正面からへし折ってやると向こうは絶句していた、そんな悲愴な表情を見るのが好きだった






 ―…今でも大切に覚えている

 強くなれと言われた事を
 璃乃は片時も忘れてなかった

 強くあろうとした
 負けたりしなかった
 親友もできた






 お兄ちゃんはもう忘れてしまっているかもしれないけど…

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