テキストサイズ

第2章 三年前





お父様は母の何処が好きで一緒になったのか…



やはり顔だけよね。



母は芸者だった。


お父様とは*婢(はしため)の頃から知り合いだった。



何故なら、
お父様はよくその茶屋に出入りしていた。


黒髪とシミ1つない、真っ白な肌と切れ長だけど、大きな瞳に一時は釘付けになったのであろう。



舞妓になったときに1番高値で水揚げをしたというのは、今でも有名な話だ。






*婢(はしため)舞妓や芸者の身の回りを裏で全て支える女中のような者。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ