
私
第14章 9:00:00
「お母様、
お父様から伝言が来ましたの。
"仕事が大切な時期だから、パーティーへはいけない。
申し訳ない。"
ですって。」
百合子は私の様子を恐る恐ると伺うかのように震えた声で話した。
私はあんたにとって腫れ物なのね。
あんたさえ産まれなければ、私に目を向けていたはずなのに。
あの愛人にも走らずに済んでいた筈なのに。
あんたが私に似ていれば、まだマシだったのに。
「あの人は私に送らず、あんたに送ったのね。」
「お母様……
ごめんなさい……」
また震えた声で言うのね。このもじもじした感じがいつも私の心を逆撫でする。
