テキストサイズ

第14章 9:00:00





ポタッ……

ポタッ……
ポタッ…ポタッ……


「い……
痛い……」



百合子の頭には、殴った時に付いた破片が突き刺さっては、血が点で落ち、線となって垂れてきた。

取り返しの付かないことをしてしまったと同時にもう後へは引けない。


もう後へは行けないのよ。


主人だって、
結局こちらに戻ることなんて出来ないのだから。


今回ここにこれないのは生き延びたってことね。



だって……


だって、
私は主人を途中で見送りをするふりをして、車に細工をしたのだから。
早かれ、遅かれブレーキは利かなくなる。


もう、あの人は私だけのものなのよ。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ