
私
第14章 9:00:00
窓の外は先程とは全く変わらず、部屋の窓を槍のような雨が打ち付けては今にも窓が開きそうなくらいの突風でひどい嵐だった。
まるで私の気分を表しているかのようだ。
この女は思い出に浸っていたのか、小さな黒いアルバムを広げていた。
!!
広げていたアルバムからはこの女と主人が笑顔で写っている写真が見えた。
ぎゅっ……
私は敗北感を感じた。何せ主人は私には向け無い笑顔をこの女には向けていたからだ。
忙しい、忙しいといつも言いながら……本妻には向けずに、こんな愛人に向ける時間があるのね。
膓が煮えくり返る。
