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第14章 9:00:00




私はそれすら気付かず



この女の顔も
髪も
仕草も
声も
その美しく
手入れされて整った 艶やかな爪も……


そう、この女逹さえいなければ、私は普通の女逹よりは若く見えるのよ!


全て跡形も無く無くなってしまえばいいと心から祈りを込めては髪をむしり取り、生爪を全て剥がし取っては、まだ生え残っていた前歯を机の上にあったカッターナイフの先で全て抉り取った。



「はあ…はあ…はあ……」



スッキリして気が付いた頃には、顔の原型を留めて無かった。



私は遺体の前で呆然としていた。



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