
私
第14章 9:00:00
宮本は悲しげな顔をしてはお茶を少し飲み、窓の外を遠い目で眺めながら
「桜……
桜並木はを見るとなんだか懐かしい。
初音様とは、自分が戦争に行く前からの幼馴染みでして。
初音様は元々あまり体が強く無かったから心配だったんですが、お気までお病みになってしまわれたんですね。」
「ええ、
昨日は部屋から凄い音がいたしまして怖くて、まだ母の部屋へ行って無いんです。」
「音?!
初音様!
百合子様、初音様の部屋へ案内して頂いてもよろしいでしょうか?」
「はい、
宮本さんが一緒でしたら、安心ですわ。」
私達は客室を後にして母の部屋へ向かった。
母がもう生きていないのは知っている。
私は殺ってない。
私ではなく、全てはお母様よ。
私は……
私はただ死体を見ただけ。
