運命操作
第2章 運命操作?
梨花は抜群の運動神経の持ち主である。特に走るのが得意で、この前の体力測定では、50メートル走のタイムはクラスの女子の中で一番であった。
だから彼女の場合、体育大会でどんな競技に出ることになっても、まったく問題ないのである。ああうらやましや、オールマイティー。
「えー、正直長距離はそんなに好きじゃないよ。まー残ってたら仕方なくやるけど」
とか言いつつ、平然と1位でゴールするのが梨花。まあいつものことなのであたしと楓は自分たちのことだけを心配する。
あたしも楓も、運動神経はよくも悪くもない。障害物競争と二人三脚競争…できればこのどちらかがいい。短距離走とか長距離走みたいな、身体能力がもろに勝敗に出る競技には出たくない。
「ねえ楓、二人三きゃ…」
「障害物競争に出よう、日向」
突然割って入った声に、三人が固まる。梨花と楓の視線が、あたしの横へ集まっていた。そう、お察しの通り――青木である。
「え……。え~、と…」
「どさくさに紛れて手握ったりしたいだけじゃないの~?」
梨花が茶化すように言う。
だから彼女の場合、体育大会でどんな競技に出ることになっても、まったく問題ないのである。ああうらやましや、オールマイティー。
「えー、正直長距離はそんなに好きじゃないよ。まー残ってたら仕方なくやるけど」
とか言いつつ、平然と1位でゴールするのが梨花。まあいつものことなのであたしと楓は自分たちのことだけを心配する。
あたしも楓も、運動神経はよくも悪くもない。障害物競争と二人三脚競争…できればこのどちらかがいい。短距離走とか長距離走みたいな、身体能力がもろに勝敗に出る競技には出たくない。
「ねえ楓、二人三きゃ…」
「障害物競争に出よう、日向」
突然割って入った声に、三人が固まる。梨花と楓の視線が、あたしの横へ集まっていた。そう、お察しの通り――青木である。
「え……。え~、と…」
「どさくさに紛れて手握ったりしたいだけじゃないの~?」
梨花が茶化すように言う。