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運命操作

第2章 運命操作?

しばらく経ち、モヤモヤが少し和らいだ頃。体育大会の学年全体での練習が初めて行われた。

体育大会の練習といっても、入退場が主で、あとは競技を終えた選手がどうするかなどを確認する程度である。入退場の練習は、クラス単位ではすでに嫌というほど練習している。

なにしろ当日までの体育の授業は、すべて体育大会関連に使われる。普段の授業より、退屈度1000%アップ、今なら先生のお小言付き!である。


「…行動の一つ一つが遅い。いいか。掛け声できびきび動く。だら、だら、とやるからバラ、バラ、となるんだ」
指令台に立つ男性の体育教師が、今行った生徒たちの入場について改善点をコメントする。

「――それからメリハリを付ける。小さく前へならえはこう、前へならえは…」
教師の指導はまだまだ続く。

「…教師ってどうでもいいところに妙に拘るよねー」
あたしの斜め後ろに座る梨花が小声で言った。少しだけそちらに顔を向け、確かに、と頷く。

「小学校の学芸会とかもさ。身ぶり手振りするところに、何回も訂正入れてきたり。最終的に先生からオッケー出たヤツ見ても、さっきとどっか変わった?っていう」

「あるある…」

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