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運命操作

第3章 運命捜査!

パァン、とピストルの音が鳴り響いた。

体育大会当日。トラックを取り囲むように並べられたいすに、あたしたちは座っていた。現在、既にいくつかのプログラムが終わっている。あたしは楓や梨花と話しながら、ぼんやりと他学年の勝敗を眺めていた。

今やっている競技が終われば障害物リレーが始まり、その次はスウェーデンリレー。さらにその次の、午前の部最後の競技である800メートル走には楓が出る。二人三脚は午後の部なので、まだまだ先である。

と、アナウンスが入り、障害物リレーの選手が入場してきた。次の競技、スウェーデンリレーの選手は、もう少ししたら所定の位置に集合し、待機していなければならない。

因みに梨花は、午後の部、1000メートル走の選手である。あたしと同じく午後まで暇かと思いきや、当日になり病欠者が出たため、急遽スウェーデンリレーに出ることとなった。

というわけで、スウェーデンリレー選手になった梨花は入場門へ向かわなければならないのであるが。

本来あたしの隣である子は席を空けており、そこに楓が座っていた。そのさらに隣には、さっきまで梨花がいたが、少し前トイレに行ったきり、戻っていない。そのまま待機場所に向かったのかもしれない。

違うクラスの席に行ったり、後ろの方の日陰で立って観戦したりと席を離れている生徒がほとんどであったため、梨花が席に座っていなくても別に目立たなかった。

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