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運命操作

第3章 運命捜査!

こんな真面目に、思いきり日の当たるところに長時間座っているのは、あたしと他、数人くらいである。「ヒナタ」とも読める苗字らしく、あたしは日光が好きな方で、日射を浴びているのはそこまで苦でない。

今のところ、怪しい挙動をしてる人はいない、か…。

気づけば、あたしは“魔女”を探していた。

それにしても、今ここにいないクラスメイトたちは、どこで、何をしているのか。本当に、別のクラスやトイレに行っているだけか…だんだん、色んな人が疑わしく思えてくる。

そうして障害物リレーが終わり、スウェーデンリレー。入場門を見ると…よかった、梨花が並んでいる。

選手たちが入場行進のメロディーと共に入場してくると、そのうち第一走者の四人がスタート地点に立った。梨花は第二走者である。

スウェーデンリレーは、走者が替わるごとに走距離が増えていく競技である。最初の走者は100メートルを走り、次の走者は200メートル、次は400メートル、最後は800メートルといった具合である。

我が中学校のトラック一周は200メートル。つまり最初の走者は半周走り、二番目の走者である梨花はそこから一周走る。

一瞬、校庭全体がしんと静まり、四人が身構える。位置について、よーい、の掛け声。そしてピストルの音を合図に、四人が走り出した。

半周目で待つ第二走者たちは、皆一様に自分のクラスの第一走者を見つめていた。

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