運命操作
第1章 そして物語は動き出す
彼は、中学生にしては少し大人びていて、不思議な魅力があった。クラスの中には、密かに好意を寄せる者もいたようであった。それを知っても、しばらくは「ふーん」という感じで、特に気に留めることもなかった。
だが、あたしが彼に惹かれていくのに、それほど時間はかからなかった。心の変化を自分でも実感していた。“彼が、好き”。
だけど、恋が花開く前に。想いを告げる前に。
あたしの恋は終わった。彼は、クラスのある女子と付き合い始めたのである。
突然幕を下ろした、あたしの恋。それでも後ろ髪を引かれる思いで彼を見つめ続けるも、席替えで席も離れ、彼とはほとんど話さなくなる。代わりに隣になり接点を持つようになったのが、この手紙の送り主であった。
「…はあ」
とりあえず横の靴の人にも迷惑だし、邪魔だから、一旦すべて鞄に入れる。靴を履き替え、土間を出たところで、誰かとぶつかりそうになる。
よく見ると相手は、例の手紙の差出人であった。
「日向!好きだ!!」
出会い頭にそんなことを言うこの男の名は、青木 遥――アオキ ヨウ――。青木も、席が隣になってから話すようになったのだが、ある時からこのようにアイラブユーの安売りをされるようになり、ほとほと困り果てている。
だが、あたしが彼に惹かれていくのに、それほど時間はかからなかった。心の変化を自分でも実感していた。“彼が、好き”。
だけど、恋が花開く前に。想いを告げる前に。
あたしの恋は終わった。彼は、クラスのある女子と付き合い始めたのである。
突然幕を下ろした、あたしの恋。それでも後ろ髪を引かれる思いで彼を見つめ続けるも、席替えで席も離れ、彼とはほとんど話さなくなる。代わりに隣になり接点を持つようになったのが、この手紙の送り主であった。
「…はあ」
とりあえず横の靴の人にも迷惑だし、邪魔だから、一旦すべて鞄に入れる。靴を履き替え、土間を出たところで、誰かとぶつかりそうになる。
よく見ると相手は、例の手紙の差出人であった。
「日向!好きだ!!」
出会い頭にそんなことを言うこの男の名は、青木 遥――アオキ ヨウ――。青木も、席が隣になってから話すようになったのだが、ある時からこのようにアイラブユーの安売りをされるようになり、ほとほと困り果てている。