運命操作
第1章 そして物語は動き出す
「…わかったから」
あたしの第一声がこうなってしまうのも無理がないくらい。ひどいと言われるかもしれないが、正直、この男の「好きだ」は聞きあきていた。
「好きだ!俺と付き合ってくれ!」
青木はバカの一つ覚えみたいに繰り返す。
「ありがとう。でもごめんなさい」
今や何回言ったかわからない言葉を言い、これも返す、とあたしは鞄から手紙を無造作につかみ、取り出した。
だが、この男はめげない。こんな風に何度フラれようと、無下にされようと。何度踏まれようと起き上がる雑草のように、この男は諦めず、またラブコールを送ってくるのである。
青木は、突き出したその手紙を素直に受けとる。いつもそうだが、いらないと返せば、必ずきちんと引き取ってくれる。しかも、それを次の告白に再利用したりはせず、また新しく手紙を書き直すのである。そういうところは、迷惑の張本人ながらあっぱれである。
封の切られていない手紙を、青木はしまい込んだ。折れ曲がらないように、そっと、丁寧に。このまま引き下がってくれるならいいのだが、前述の通り、諦めたわけではない。そして。
「それでも好きだ!」
とかなんとか周りの目も気にせず叫ぶもんだから、だんだん視線を集め始めた。
恥ずかしくなってきたあたしは思わず、その場からとんずらする。思わずというか、もうそこはそうするしかないと思った。
あたしの第一声がこうなってしまうのも無理がないくらい。ひどいと言われるかもしれないが、正直、この男の「好きだ」は聞きあきていた。
「好きだ!俺と付き合ってくれ!」
青木はバカの一つ覚えみたいに繰り返す。
「ありがとう。でもごめんなさい」
今や何回言ったかわからない言葉を言い、これも返す、とあたしは鞄から手紙を無造作につかみ、取り出した。
だが、この男はめげない。こんな風に何度フラれようと、無下にされようと。何度踏まれようと起き上がる雑草のように、この男は諦めず、またラブコールを送ってくるのである。
青木は、突き出したその手紙を素直に受けとる。いつもそうだが、いらないと返せば、必ずきちんと引き取ってくれる。しかも、それを次の告白に再利用したりはせず、また新しく手紙を書き直すのである。そういうところは、迷惑の張本人ながらあっぱれである。
封の切られていない手紙を、青木はしまい込んだ。折れ曲がらないように、そっと、丁寧に。このまま引き下がってくれるならいいのだが、前述の通り、諦めたわけではない。そして。
「それでも好きだ!」
とかなんとか周りの目も気にせず叫ぶもんだから、だんだん視線を集め始めた。
恥ずかしくなってきたあたしは思わず、その場からとんずらする。思わずというか、もうそこはそうするしかないと思った。