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運命操作

第3章 運命捜査!

午前の部最終競技、800メートル走は、全学年全クラスの女子が同時に走る。クラスで一人、それが4クラス×三学年なので12人である。

お昼前の800メートル走は、キツかったかもしれない。けれども楓は最後まで走り抜き、学年では三位でゴールした。

午前の部終了のアナウンスが入り、周りは日陰でシートを広げたり、弁当を食べに校舎へ向かい始めた。だが梨花も楓も、中々戻ってこない。

「遅いなぁ~」
あたしは三人分の水筒を持ち、二人を探しに退場門付近へ向かった。


退場門にはやはり誰もいなかった。近くの手洗い場もちらっと覗いてみたが、二人の姿はない。ぐるぐると一周し、やっと楓の姿を見つけた。

…が、楓は一人ではなかった。なんと、昨日女子トイレ近くでトラブルになった、あの男子生徒といた。

男子生徒は、地べたに座る楓の腕をつかんでいた。

「楓……っ!」
反射的に走り出した時、誰かに腕をつかまれた。

振り向くと、そこには。


「梨花…?」

梨花が立っていた。梨花は静かに首を振り、目で楓たちを示した。見ると、男子生徒は楓の腕を離し、楓はゆっくり立ち上がった。

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