テキストサイズ

運命操作

第4章 運命を操る魔女

あれから楓は、昼休みや下校を例の男子生徒と過ごすようになっていった。別にあたしたちとの仲が悪くなったわけではなく、朝や、授業の間の休み時間はあたしたちとおしゃべりしている。

「そりゃ、あたしたちより先に出会ってるんだもん。かなうわけないよね~」
あたしは、まるで恋に破れたヒロインのような、諦めの言葉を呟いた。以前は三人で歩いていた道を、もう今日で何日目だろう、二人で歩いている。

「まぁ仕方ないよね。元々仲良かったんでしょ?」
隣を歩く梨花は、さばさばと言った。

梨花の言うことは尤もである。楓たちは親しかった頃に戻っただけ。…だけど、やはり寂しい。

「わかってるけど、わかってるけど…ううっ…!」
しくしくと泣き崩れる真似をする。

…が、ちょうど梨花と別れる地点に来たことに気付き、あっさり泣き真似をやめてバイバイと手を振り別れた。


その直後であった。


「……っ!」

突然、後ろから口を塞がれた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ