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運命操作

第5章 捨てきれぬ想いとトラブルの火種

その日の放課後。帰り道を、三人で歩いていた。楓は浮かない顔のままであった。楓のことが心配で、梨花とあたしは少し遠回りをしてでもと、なるべく楓の家の近くまで付き添い、別れた。

梨花に手を振り、暫く一人で歩いていると…口が塞がれた。


「こんにちは。ヒュウガサン」
すぐ後ろから、声。…またあの男。

「――君、本当にナカムラチガヤと付き合ってないんだよね?」

…どきりとした。音楽室でのことを知っているのであろうか。あたしの恋心を見透かされたようで、手に汗を握る。だけど、あたしが一方的に彼を想っているだけで、付き合っていないのは事実。あたしははっきりと頷いた。

「まぁ、今日はその事じゃないんだけどね。またちょっと聞きたいことがあってさ」

「知り合いがさー、ずっと仲良くしてたのに、最近急によそよそしくなっちゃってさ。…君の友達と一緒にいるところをよく見かけるようになってからなんだけど、何か心当たりない?」

言われて、楓とあの男子生徒のことだ、と思った。楓の言っていたことを思い出す。

“ちょっとヤバそうだから今日は休むって”

…ヤバいって、このことだったんだ。正直に話したら、この人はきっと、二人に何かする…。

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