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S×強気で恋になる

第65章 暴君甘えん坊

しばらく、たわいない話をしていたが
突然真一が饒舌になった

「だからなー、・・隆彦は、カリスマ性がある、し、・・頭も・・キレる。だけど、・・情の部分かたりねーんだよ、きっと。・・和也だって、・・チームまとめあげてリーダーシップ・・・ッコホゴホコホゴホ、発揮してる、だろ?あんたに足りねーのは、そこだろ、っ、」
「ご忠告ありがとう。血も涙もないのは、お前だと思ってたがな。」
「俺は・・変わった、んだ・・・っ、誰かのため、に、・・今必死で・・生きてんだ、・・」
「その誰か。俺にも貸してよ。それか、真一が俺にもっとなついてくれたら、な?執着したくなるよ、真一は。おとして、追い詰めて、壊したくなる、その高いプライドも、才能も、全部根こそぎ奪いたくなるよ」

そういいながら、真一のグラスに酒を入れると
真一はそのまま下を向いて寝ようとしていた



ーゆうにぃ、とー、かずにぃ、とー・・・あと、タカちゃん!

と突然、真一が幼稚舎に通っていたときのことを思い出す
幼稚園児のときは、タカちゃんタカちゃんって
可愛かったのにな

あいつが初等科行ってから
なんかまるで兄弟はいないかのように
選ばれた子のように
なんでも一番になって・・・

わかってるんだ、お前を傷つけたって
なぶったって嫌がらせしたって泣かせたって

お前がこの世にいる限り
お前が俺の弟である以上

どーにもならないってこと。

俺はでも、不安と恐怖と
高いプライドの狭間で毎日戦ってんだよ

小さい時からずっと、俺よりも一回りくらい下の弟に下剋上され続けてんだぞ

可愛いわけがない

今でも俺のことバカにしてるにちがいねぇ

なんで俺の気持ちわからねーんだよ


ゴクゴクと飲むと何か吹っ切れそうで
半ば死にかけている真一を
無理矢理道連れに俺達はペースを変えず
飲み続けた

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