S×強気で恋になる
第65章 暴君甘えん坊
マダムが隆彦を担いで出て行ったのを見て、俺は寝室へ向かった
「真一?・・・寝てんのか?」
まあ、もう夜中だからな
そう思いながら近づいた
いつもは王様みたいにでーんっと
大の字で寝ている真一が
小さく自身を抱えるように寝ていて違和感を覚える
ライトの明かりだけでなく、
部屋の電気をつけたら
真一が小さく震えていた
「?!真一、寒いの?布団かける?」
「・・・ッゴホコンコン・・・・コホッ」
「風邪?俺も隣で寝ていい?・・・・・泣いてんの、か?」
真一の整った顔を見ると
まつげが濡れていた
思わず真一をゆすり起こす
と、寝ぼけてるのか意識が朦朧としているのか
わからないけど、真一が寒い、とだけ言った
たくさん毛布もかけてるのに
寒いと言われても他に対処しようがなく
俺布団中に入って抱きしめることしかできなかった
「・・・じゅんぺ・・・はやく・・帰ってこいよ、・・ッゴホコン・・まって、た・・ッコホ・・」
「・・・ごめん。心配かけて。・・お前体暑い。俺医者じゃねーし、看病苦手だから、病院行こう、な?寒くなくなる。きっと」
そう言うのに、真一はぜェーぜェー息してるだけで、何も話さなかった
真一病院連れてった方がいい気がするな
ここに寝かせてても、何もできない
救急車、とか?
でも、そんなん安易に使うなって
真一怒りそうだし
タクシー・・・
車・・・
俺だって・・運転免許持ってるし
ペーパーだけど、運転下手だけど、
やるしかねぇ
真一がいつもの真一じゃないから
俺がなんとかしなきゃならねーんだ
いつもガキ扱いされるし
してもらってばっかりだから
俺が・・・
俺がいてよかったって思ってくれるように
真一のために
必死で頑張ろう