S×強気で恋になる
第65章 暴君甘えん坊
仕事をしながら
ぼーっと出会ってから今までを
振り返っていた
俺たち出会ってから
真一どんどん弱くなってねぇか?
一緒にいればいるほど
真一は俺のために傷つくことが増えて
俺ばっかり楽になって
なんのために一緒にいるんだろうか、
俺が安心して、真一がいるとほっとして
でも、真一はどうだったんだろう
そんなことをぼーっと考えていた
「横山さん、なんかぼーっとしてんな」
「・・・・んなことないっすよ。これ出来たから、書類回してきます」
「あ、逃げんなって。俺、山下っての。この前営業から移動してきて、すっげー美人で有名だった横山さんいなかったから。結構無愛想なんだな」
「はぁ。・・・では、俺はエレベーターに乗るので。」
会社内での付き合いは
飲み会も増えるしごめんだ
そう思って俯きながらエレベーターに乗り込むと
さっき俺に声をかけてきた男も乗り込んでくる
「奇遇だな。俺もだ」
「・・・・・。何階ですか。」
「・・・何階でも。・・・横山さんさ、同僚だろ?みんな淋しいって言ってるぜ?もっと喋ったり、昼飯一緒に外食いに行ったりしよーよ。それが普通だろ?お前だけ単独行動だし、社長とか岡崎専務のお気に入りらしーけど、よく仕事休むし。俺たち、お前がどーゆー人かも知らないって変じゃないか?女もそーだけど、俺たち男だって、興味あんだからさー、な?」
「はぁ。・・・そのまんま、こーゆー奴なんですよ。では、俺この階なんで」
そう言って、スッと横山が降りて行くのをみる
流行りの髪型で
キチッとした細身のスーツ
悪くない靴
完璧なのに、誰にも懐かないし笑顔をそんなに見せない
どこか影のある、というか
掴みきれない奴だった
・・・つれねーな
ちょっとは仲良くしよーってんのに
でも、結構強情っーか
なんかおとしたくなるね、いろんな意味で
そんなことを考えながら
自分の課がある階に戻った