S×強気で恋になる
第66章 慣れと諦め
昔に比べて不味くもないが、決して美味しいとは言えない病院食を食べ
看護師が体温や血圧を測りにきて
それを適当にやり過ごしながら
窓から外を見ていた
携帯が病院内では決められたエリアじゃないと使えない。そうわかっていても、やっぱり気になって何度も電源を入れて新着メールを確認した
純平から連絡なしか・・・
あいつがメールとかしねーのは
いつものことだけど
さすがに俺が一応入院してんだから
ちょっとは連絡しろよ
まあ、あいつもたまにの三連休は
一人の時間も大事だろーし
あえて連絡してねーのに
そのはずなのに、やっぱなぁ・・・・
はぁ
和也に・・・様子見てきてもらうか?
ッゴホ・・コホッゴホッゴホッ・・・
そう思っていると、なぜかまた安藤が部屋にきた
「だから、なんでお前が入ってくんだ。ここVIPだぞ?勝手に入ってくんな」
「VIPの病室ってさ、ホテルの部屋みたいだよね。ここに住んでるみたい」
「はぁ?明日の夜帰れるようになったんだ。大体、ちょっと高熱だったからって、軟禁するなよな。ったく・・コホッゴホッ・・・」
「明後日じゃなかった?」
「熱ねぇのに、こんなとこいれるか。ここにいる方が病気になるな。」
「・・・・明日の夜かぁ。」
「んだよ。問題ねぇだろ。そもそも安藤には関係ない。」
「・・・ですね。そう言えば、彼氏さん面会来ましたか?」
「あ?・・・来てねぇよ。いいよ、来たらあいつアホみたいに風邪菌もらいそうだし。馬鹿正直だからさ、すぐうつるんだよな。」
「面会も来ないなら、好きじゃないんじゃない?」
俺がそう言うと、ふざけて笑っていた
岡崎さんが急に真顔になり
俺をにらんだ
「てめぇ、何も知らねぇくせに、適当なこと言うな」
「・・・・冗談・・ですよ。・・・・仕事戻りますね」
「もう来るな。安藤仕事、集中してやれよ?」
「えぇ。・・・失礼します」
そう言って立ち去る安藤を見ながら妙な胸騒ぎを覚える
あいつなんのために
毎日ここ来て、純平の話してんだ?
っーか、純平のこと
あいつが頭切ったときに入院して
・・そんくらいしか接点ねーだろ
なんかなんだ、このモヤモヤ
嫌な感じだな
意地はってねーで
純平に電話するか
そう思って俺はよいしょっとベットから起き上がり、純平の携帯に電話をした