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S×強気で恋になる

第66章 慣れと諦め

病院の駐車場に着くと
いつの間にか起きていたのか、横山さんが手で自身が着てる服を触ったり目隠しされていた布を触ったりしていた


・・・とればいいのに


それも自分からできないくらい
怖かったってことか

やばいよな、これ・・・
可哀想っーか、ひどいっーか


俺ゲイだけど、そんな性癖ねぇから
わかんねぇー

そう思いながらシートベルトをとる

と降りると思ったのか
横山さんが少しビクッとなった


どーしたものか、そう思いながら
乗せていた後部座席を開けて隣に入る

突然俺だったら困惑するじゃないか
とか
俺見て逃げ出すんじゃないか
とか
俺なりにいろいろ考えて
あえて目隠しをしたまま手を握った

「岡崎の同僚の、ほら、お前の頭も縫った、藤間だけど、・・・覚えてる?・・大丈夫だから、な、・・俺なんにもしねぇから、な」
そう言いながら、スルスルと目隠しをとると
少し動揺したのか
相当ビビってんのか

前みたいな威勢のよさもなく
少し怖がってるような目を向けられる

岡崎のものって知ってるけど
なんかどーしていいかわからなくなって
俺はしっかり抱きしめていた


「・・・・迷惑かけて、・・すみません・・・でした・・」
「・・・・!!何も謝ることしてねーだろ?・・・岡崎心配してたぞ。」
「・・真一には・・・言わないで・・・。・・・適当に・・・言って」
「わかったから、もう大丈夫だから。・・・歩けるか?岡崎待ってるから、・・・」

そう言うと、こくっと頷いて
俺の後ろをフラフラついてくる

「飯は?」
「・・・食ってねぇ・・腹減った・・」
「そうか。・・後で、美味しいとこ連れてってやるよ、な?」

そう言うと、少し笑ったような顔をして
また歩き出した

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