S×強気で恋になる
第66章 慣れと諦め
俺が着替えたり、荷物をまとめたりしていると
安藤が入ってきた
「・・・なに?」
「え?帰られるんですか?」
「俺が帰ったらまずいことでもあんのか?どーなんだ。」そう言って俺が詰め寄ると、安藤はクスッと笑った
「ないですよ。元気が一番ですもんね。・・・俺、岡崎さんのこと好きです」
「黙れ。俺の前から消え失せろ」
「・・・なんで、ですか・・?俺のことも、知ってくださいよ・・」
「・・・・安藤。妄想もやめろ。俺はお前に興味がないんだ。これは変わることない事実だし、お前のこと一度たりとも好きだなんて思ったことない。これが現実だ」
そこまで言うと、安藤が怒った顔をする
「なんでだよ。なんで俺のものなのに。真一は俺のものなのに。」
「違うだろ。金持ち坊ちゃんか。手に入らないものもあるんだよ。諦めろ。俺を好きになるな。いい加減にしねーと、ぶん殴るぞ」
「・・・・。」
こいつ何するかわからない
一番危険なタイプだな
そう思いながら、じゃあな
と横をすり抜ける
これで逆恨みされても困るな
もう二度と関わってもらわねーよーにしねーと
そう思い俺は振り返った
「安藤。・・・お前にもいい人みつかるから、今の仕事一生懸命やれ」
「・・・・・。」
まあ、この病院はやめてもらうがな。
どーせまだ半人前なんだ。
そんな病気なやつ、おいとけるか。
そう思いながら、廊下を歩く
すると、電源を入れていたのか携帯が鳴った